やる偽善ブログ

現代の貝塚【牡蠣の殻】は、ゴミの山か?宝の山か?

皆さんは、【江戸川河川敷】という場所を御存じだろうか?

ここ数年で、その様子が様変わりし、

非常に問題になっていると、先日ニュースを見て驚いた・・・。

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目次

江戸川河川敷は、今どんな姿になっているの?

江戸川河川敷と言えば、埼玉県を流れる江戸川周辺に広がる

比較的大きな河川敷です。

 

河川敷で見られる生き物たち

この河川敷の放水路には、

スズキ、カレイ、アナジャコといった生き物や、

アサリ、ハマグリ、オキシジミ、マテ貝、ホンビノス貝といった、

多くの貝類など、多種多様な生き物たちが見られ、

大潮の日などには、多くの人が潮干狩りなどする姿も見られるスポットです。

 

そんな多くの生き物たちを育む江戸川ですが、

近年ある問題に直面しているとの事。

 

その問題というのが今回の本題・・・。

牡蠣(カキ)の殻の大量放棄

 

 

なぜこんなにも大量の牡蠣の殻が?

江戸川には、他の貝類と共に、天然の牡蠣(カキ)が非常に繁殖しています。

この牡蠣を大量に殻を剥いて、中身だけを持ち帰る人たちが沢山いるのです。 

 

ニュースや、記事などを信じるのであれば、

2017年に行われた一斉清掃で、回収された牡蠣殻の重量は、

なんと驚きの 100t!!

 

中身が入っている状態でも、

1つあたり、大体100g程度の牡蠣ですから、
単純計算で、100万個の牡蠣という桁外れの数になります。

 

しかもこの牡蠣を集めている人たち・・・。

その殆どは、なんと中国人なんだそうです!!

 

なぜか凄く沢山の中国人が、

自分で食べるだけとは思えないほど、大量の牡蠣を集めて持って帰る。 

その大量の殻を、そのまま違法投棄するという事が続くことで、

河川敷の一部は、大量の牡蠣の殻で埋め尽くされているという衝撃の実態でした。 

 

なんで、中国人だけなの? 

日本人の感覚からしても、牡蠣が大量に取れるなんて、

夢のような場所だと思うのですが、

なぜか中国人の方たちが、この現状の犯人とされています。

 

では、なぜ日本人がいないのか・・・。

それは江戸川という川の水質が、過去を遡るとかなり汚かったという歴史と、

牡蠣(カキ)という貝の中でも、

一日に400リットルもの海水をろ過すると言われている、

桁外れ水質浄化能力が世間に知られているからだと思われます。

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つまり単純に説明すると、

江戸川の牡蠣は、食べるには非常に危険な可能性がある。

という事なのです。

 

中国の方たちが、この大量の牡蠣をどう扱っているのか、

非常に怖いものがあるのですが、

正直その先までは、分かっていないようです。

 

国や自治体の動きは?

法律上、漁業権の無い江戸川の牡蠣を集める事は、

現状問題になりません。

 

また、集めた牡蠣の殻を捨てて帰る事は、

不法投棄と見なされるようなのですが、

現状では厳しく取り締まる事が出来ない状況なのだそうです。

 

そこで自治体では、河川敷のパトロールを行い、
根気強く 口頭注意などを行い、

中国語での看板などで注意喚起を行っているとの事です。

牡蠣の殻に、使い道は無いのか?

テレビやネットでのニュースを、

自分なりに整理して書いてきましたが、

正直どのニュースや記事でも、政治的な臭いを感じるほどに、

中国人へのバッシングで話は終わっています。

 

しかし個人的には、この原因が中国人であろうとなかろうと、

正直どうでもいいと考えています。

考えるべきは、違法投棄を厳罰をもって取り締まり続けるか、

 

牡蠣の殻そのものに価値を生み出し、

溜まっているゴミの山を、有効活用出来るよう方法を考えるしかないと思うのです。

 

注意喚起の看板なんて、個人的には税金の無駄遣い・・・。

景観も悪くなりますし、対策を打っているアピールでしかないと考えています。 

牡蠣の殻を有効に使っている事例

養殖場の牡蠣の殻が、どのように処理されているか皆さんはご存知でしょうか?

 勿論、産業廃棄物として処分されていることもあるのですが、

 多くの場合、肥料(土壌改良剤)や、凍結防止剤に使われています。

 

そして最近では、石巻工業高校の生徒たち発案から、

牡蠣の貝殻自体の水質浄化能力を研究に組み込み、

カキ貝殻セラミックボール『カキボール』

という商品開発が進められていたり、

www.kyokuyo-co.co.jp

その他にも、牡蠣の殻を人工漁礁に加工し、

水質改善と共に、魚や海藻を増やす目的の、

『JFシェルナース』といった商品を作っている会社もあるようです。

www.kaiyoh.co.jp

ゴミの山は、宝の山になりうる。

厄介者であったはずの、

牡蠣の殻は、多くの人の努力や研究の結果、少しずつではあるのでしょうが、

確実にその価値を高めているように思えます。

 

ゴミであったはずの物が、人々に必要とされた時、

その価値は正反対の物に代わります。

 

環境問題であったはずの牡蠣の殻というゴミの山が、

水質改善、土壌改善、そして生き物たちのゆりかご と、

その価値が変化するのは、もうすぐなのかもしれません。