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【エコキャップ運動】は、果たして意味のない活動なのか?

皆さんは、エコキャップ運動というものを、ご存知でしょうか?

 

非常に有名な活動であり、社会貢献の第一歩ともいえるような活動なので、

一度は耳にしたことがある人が多いのではないでしょうか?

 

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【フリー素材】を使うだけで、募金活動に! - やる偽善 ブログ

 

 目次 

エコキャップ運動とは?

ゴミとされる、ペットボトルの蓋(キャップ)を集め、

リサイクル商品の原材料とすることで、その売却益を、

発展途上国でのポリオワクチンをはじめ、多岐にわたる募金活動の財源とする。

ざっくりと書くとこんな内容になります。

 

『約430個のペットボトルキャップで10円分のワクチン代になります』や、

『20円でポリオワクチン1人分になる』という

うたい文句が世の中では一番耳に馴染む説明で、

ネット上やTVのCMでも歌われていたように記憶しています。

 

 

お金の動き、詐欺疑惑について

 2016年末に、衝撃的なニュースが流れたことを、ご存知でしょうか?

エコキャップ(ECOCAP)という言葉を世に浸透させ、最大回収元であったはずの、

エコキャップ推進協会というNPO団体が、
世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)』というNPO団体へ全くお金を送らずに、運営費や設備投資、なにより身内の給料・役員報酬にほとんどを使っていたというニュースです。

 

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NPO団体の仕組み 

基本的にNPO団体とは、主に2種類あります。

 

1. 何かしらの活動を行うNPO

2. NPOを支援するために資金集めをするNPO

 

今回のケースですと、

エコキャップ推進協会」は資金を集めるNPOで、

世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」は活動を行うNPOと考えてください。

 

※実際は、さらに『日本ユニセフ』、そこからさらに『UNICEF』といった感じで、お金は動いているようなのですが、割愛します※

 

NPO団体も、完全に無償で動いているわけではありませんので、

寄付金の一部は、経費(運営費・人件費 等)に使われることは一般的で、

それ自体は当然のことと思います。

 

経費の大小については、色んな意見があるとは思いますが、

世界的には、20%前後がスタンダードとされていることが多いようです。

 

エコキャップ推進協会の問題

経費20%がスタンダート言われているNPO業界のなか、

ある年のこの協会の経費率は、なんと約78%。

しかも、残った寄付金すらワクチンを名目で寄付を募りながら、

ワクチン関連には寄付していないという暴挙です。

 

さらにこの78%の経費というのも、収支報告では分かりにくい、

「業務委託費」に大半が使われ、

その業務委託先は自分たちが役員を務める、会社・・・。

 

絶対とは言いませんが、

どう考えても胡散臭すぎるお金の動きと感じるのが、

普通の感覚と思うわけです。

 

結果、多くの企業団体はこのNPOから距離を取り、

活動を続けているのですが、

「エコキャップ」は、この団体が商標登録をしているらしく、

「ペットボトルキャップの回収」

といった回りくどい言葉を使わないといけないことになっている現状があるようです。

 

 

どこで回収・集めているの?

否定的な内容を先に書きましたが、

私自身は活動自体には一定の意味があると考えています。

ただ回収元の選択は考える必要があると思うわけです。

 

回収元で個人的に一番身近なところとしては、

「イオン」だと感じています。

入り口付近に回収ボックスが置いてあることが一般的なので、

買い物ついでに見ておくと分かりやすいと思います。

 

ただ、イオンでは一般のお客様以外の受付は行っていないようなので、

地域で集めている場合や、会社で集めている場合は、

世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)

が紹介している回収事業団体をご覧ください。

www.jcv-jp.org

意味が無い、やらない方が良いとされる理由は?

実はこのエコキャップ運動は、

意味が無いどころか、やらない方が良いと主張されることも多い運動です。

 

沢山の否定的な意見はあるのですが、代表的な意見を紹介します。

 

効率が悪い

輸送費にかかるコストや、人件費等

ペットボトルキャップの売却益を考えた時に効率が悪いというものです。

 

たとえば、キャップを持ち込みではなく郵送でNPO団体に送る場合、

輸送費よりも寄付出来ている金額が下回るということが起こります。

数千円の輸送費を出して、数百円の募金になるのであれば、

輸送費をユニセフ等に募金した方が、非常に効率がよいという発想です。

 

リサイクル自体が環境破壊になる

これはペットボトルキャップに関わらず、

プラスチック類のリサイクル全般に言えることだとは思うのですが、

リサイクルに関わる工程で排出されるCO2などは、

単純に可燃処理等の処分を行う際に発生するCO2を上回るというものです。

 

 

私の考える、エコキャップ運動の意義

効率がいいかと言われれば、やはり現在の状況では悪いんだと思います。

しかしこういった活動の本当の意義は、

人々の中にある善意の種を育てるようなものだと考えています。

 

誰かのために、何かの為に行動を起こす。

それが本当に世のためになっているか自分で考える。

他に出来る事が無いのかを考える。

効率よくなる手段を作り出す・考えるきっかけになる。

 

行動は、その人や周りの人の意識を変える事が出来ると信じています。

 

お金で寄付した方が効率が良いと否定する人たちの、

どのくらいの割合が実際にお金を寄付しているのでしょうか?

 

どうせ捨てるゴミなら、

集めて寄付してみようかと動く人と、どちらの方が多いでしょうか?

 

人の思考を良い方向に向ける。

全ての事はそこから始まるのだと、個人的に思うのです。

それこそが、エコキャップ運動の実利以外の大きな意義ではないでしょうか?