やる偽善ブログ

今更ながら【米のとぎ汁問題】結局どうなのか?

皆さんは、昔から言われている

米のとぎ汁の問題、覚えていますか?

この機会に、自分なりの結論を付けようと色々と調べてみました。

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目次

米のとぎ汁は、本当に環境破壊の王様か!?

米のとぎ汁に関わらず、

食用油や、調味料食器洗い洗剤などの生活雑排水を、

下水に流すという事は、少なからず環境に影響を及ぼします。

 

食器を洗う前に、可能な限り拭き取るなどして

燃えるゴミとして処分するだけでも、環境保全に繋がりますので、

習慣にすると洗い物の手間も減り一石二鳥です。

 

食用油に関しては、コチラでも少し考えています。

gizenn.hatenadiary.com

米のとぎ汁が環境破壊の王様と言われるわけ

実際に米のとぎ汁は、

そこまで環境破壊に繋がっているのでしょうか?

 

とぎ汁の影響で起こるとされる環境破壊は、

水中に溶け込む栄養素が過剰に多くなる、

富栄養化(ふえいようか)という現象にあります。

 

このとぎ汁という栄養たっぷりの液体は、

川や海などの本来あるべき水質のバランスを崩してしまい、

プランクトンや微生物の異常繁殖を引き起こし、

アオコ赤潮という状況の引き金となることで、

水中生物が住めない水質となるのです。

 

しかし、この富栄養化の原因は、

別にとぎ汁に限ったことではなく、
窒素やリン等の栄養塩類を含む、生活雑排水の大半に言える事であり、

家庭から出る生活雑排水において、

米のとぎ汁が占める割合はそこまで多いものではありません。

 

つまり昔から騒がれていた、
水質汚染の代名詞という程のものではなく、

とぎ汁の少ない(出ない)、無洗米を世間に浸透させるための、

業者による国を巻き込んだ、

プロパガンダだったという見方が一般的のようです。

下水処理場で十分なのか?

米のとぎ汁が、環境破壊の王様のような扱いであったのは、

ある意味、誇大広告のような状況であったことは間違いないのですが、

環境悪化につながる物であるという事も、同じくらい間違いありません。

 

多くのサイトや、本には、上記のプロパガンダだったという事で話が終わり、

現在の下水処理場での処理であれば、

窒素やリンといった富栄養化に繋がる原因物質のほとんどは、

海や川に戻す前に、処理出来ているので問題が無いという話でまとまっていることが多いです。

 

下水処理場での仕組みについては、改めて詳しく書いていきたいと思うのですが、

結論から言って、残念ながら日本の下水処理の仕組みは、

まだまだ完全とは言い難い状況です。

 

確かに下水処理場の性能は、日進月歩に向上しています。

処理場での高度処理という処理を正しく行えば、

懸念される物質のほとんどは処理が出来ると思います。

 

しかし雨天時などは水量の増加により

処理能力のキャパシティオーバーにより、

十分な処理を行わず、海や河川に排出することがあったり、

 

そもそも十分な処理能力のない下水処理場や、

地域によっては、河川に生活雑排水を垂れ流しているということも、

まだまだ少なくないのです。

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米のとぎ汁は家庭菜園の強い味方?

とぎ汁が、環境汚染に繋がるという考えが広まるのと同時に広まった考えが、

とぎ汁は家庭菜園の野菜たちの肥料になり、

土中細菌での分解は河川や海と比べ非常に環境にやさしいという考え方です。

米のとぎ汁に含まれる栄養素

とぎ汁に含まれる成分には、

先ほどから出てくる、窒素やリンなどのほかにも、

たんぱく質

ビタミンB1、B2

・ビタミンE

・カルシウム

アミノ酸

・鉄

・脂質

・でんぷん質

といった多くの栄養素が含まれています。

精米技術が上がるにともない、

含まれる成分の量などにも変化はあるのですが、

基本的にとぎ汁には、いくつもの栄養があり、

それが植物の肥料として使うことが出来るという考え方が広まっていきました。

実は、肥料にならないとされるわけ

私自身は、この肥料になるという教えを

中学の授業で聞いていた記憶がありますし、

家でも積極的にプランターの植物にあげていたのを覚えています。

 

実は恥ずかしながら、この記事を書くために色々と資料を読み返してみるまで、

米のとぎ汁は肥料になるという考え方に疑いを持っていませんでした。

 

そうです。

現在の家庭菜園では、とぎ汁をあたえる事が推奨されていません!!

 

厳密にいえば、栄養になる場合もあるが弊害の出る可能性が高い為、

メリット以上にデメリットを抱える方法であるという考え方です。

 

1.精米技術によって、栄養になる成分の減少

2.でんぷん質によって、土の通気性が減り、発育の阻害となる

3.発酵熱によって、植物の根がダメージを受ける

4.発酵ではなく腐敗が起こり、虫が湧く

 

記事が長くなりすぎるので、ここでは詳細は割愛しますが、

ざっくりとデメリットをあげると、これらの事があります。

 

人にとっての栄養を植物が利用するためには、

土中細菌が分解をする必要があります。

とぎ汁に栄養が多いとはいえ、直接植物に与えることは弊害があるようなのです。

 

但し、プランターのような小さな空間ではなく、

お庭や、広範囲の畑などに撒くことには一定の効果があると思います。

米のとぎ汁、活用方法

肥料としてあまり有効でない米のとぎ汁。

何かほかに使い道は無いものでしょうか?

 

1.フェイスパック

2.化粧水

3.ボディーソープ、入浴剤

4.フローリングワックス

5.食器洗い洗剤

 

こちらも、記事が長くなりすぎるので、
詳しくはまたしっかりと書きたいので、詳細は割愛しますが、

ただ捨てるだけではもったいないほど、活用方法がありそうです。 

米のとぎ汁問題、自分なりの結論

米のとぎ汁に限らず、生活雑排水が河川や海を汚染している事は、

今後も常に問題になることだと思います。

 

下水処理の性能は今後も上がっていくとは思いますが、

処理場の負担を、毎日の習慣で少しでも減らすことが出来るのであれば、

それがほんの少しの効果だったとしても、意味のある行動です。

 

誰かの利益のために、情報に手が加えられていたり、

昔からの常識だと思っていた方法が、

まったく逆の常識になってしまったりといった、

『情報』というものがもつ、多く問題を含む『米のとぎ汁問題』は、

非常に考えさせられることの多い題材でした。

 

皆さんも常にアンテナを張り、

常識が常識ではない柔軟な思考のもと、

環境について考える一つのキッカケにしてもらえると嬉しいです。